2015年8月13日木曜日

ハゼルの結婚


「おまえ、なんで最近ずっとウチにいんの?」

「私、ここに住むことにしたから」

ネオとノヴァの家に、ユウコが転がり込んできた。


「何、勝手に決めてんだよ」

「あんたの店の給料だけじゃ生活できないのよ」

気まぐれで開くだけのネオの店、最近は売るものもなく放置状態。


「自分の家はどうすんだよ!」

「貸すことにしたの、そうすれば家賃収入も入ってくるし」

固定資産税とか無いからいいね。(笑)


(いつの間にか完全に占拠されてるし・・・)

ネオ達の寝室はユウコの部屋に。


(どこの部室だよ・・・)

物置部屋に男達二人の簡易ベッドルームが完成。


「ってわけで、面倒くさいことになったよ」

「ノヴァって彼女に甘いよね」

モユルとサウナで男子会。


「あー・・・ところで、ハゼルはどう?最近どうしてる?」

「ハゼル?」

湯気の中で核心に迫るネオ。


「そういえば、もう学校も卒業して就職したよ」

「さすが宇宙人だな」

就職先も宇宙関係。


「それから、ミドリさんと結婚してたような気がする・・・」

「気がするってどういうこと!?」

絵に夢中になっているモユルを背に、玄関先で急いで結婚したからね。


「でも、ミドリさんって、病院の受付の男とデキてるみたいでさ」

「うちの病院?あの男と!?」

いくら患者が行列になっていても、徹底的に電話番とパソコン操作しかしない受付の男。


「ミドリさん、何で病院なんかに・・・?」

「さぁ?」

病院で姿は見かけないが、受付の男と仲良くなってるってことは頻繁に来てるのかもね。


「ハゼルが結婚したってことは、デキたのかな・・・」

「デキたって?子供?」

病院に頻繁に通ってるってことは、そうだろうね。


「俺には関係ないか・・・」

「面倒くさいことに首突っ込まない方がいいよ」

もはや、ネオにはどうすることもできないのであった。


「ハゼル、結婚したってホント?」

「ホントだよ」

それでも、やっぱり真実を確認したいネオ。


「地球人は順序を重んじるんだろ?」

「ん?何の順序?」

デキる前に結婚を済ませるってことだよ。


「で、子供デキたんだ?」

「うん、デキた」

なのに、浮かない顔のハゼル。


「俺の子じゃないような気がする」

「ま、まさかぁ~!」

播種失敗か?


「ミドリさんなら、ユウコの家に住んでるよ」

「ユウコが家を貸した相手ってミドリさんなの?」

どうやら、ミドリさんは生まれたばかりの我が子と二人で生活を始めたらしい。


出産後、育児疲れからか、しょっちゅうスパに来てマッサージ受けてるお気楽生活だけど。


そういえば、三人の子供を抱え、夫が職場で不倫中のクロエも、よく来ている。


「どちらも幸せにできないんなら、あんまり深入りするなよ」

「・・・・・・・・・・」

ミドリさんもクロエも、決断の遅いネオのせいで人生の階段を踏み外した感がある。


ノヴァの的確な助言に、落ち込んでふて寝するネオであった。

2015年8月10日月曜日

今日の病室


「でも、あれでしょ?結婚は人生の墓場なんでしょ?」

「まるで屍のようだね」

死神からのデートの誘いが、ごっつ頻繁。(笑)


医者の道がまだまだ遠いネオ。看護師のアレクサンダーが、常に女性患者ばかり相手にすることが気になる。


「君は患者の相手はいいから、床のモップがけをしてよ」

「・・・・・」

病院の床が、毎日水浸しなのは何なんだ。


「また、お前か・・・仮病じゃねーの?」

「違うよ!ちゃんと診察してよ!」

病院に来るメンバーは、たいてい決まっている。アンナもかなりのヘビーローテーションでやってくる。


患者が子供ばっかりでテンションが上がらないネオ。(笑)


「侵略者は人妻の脳だけでなく心も完全に支配したのであった・・・」

「人妻ハンターは、もういいよ」

ダメ医者ネオは、侵略者ハゼルにB級官能小説を読み聞かせるのであった。


「サトウ君とはどう?上手く行ってる?」

「相変わらずよ」

クロエも常連の患者。


「あんなダメ亭主、とっとと別れちゃいないよ」

「じゃぁ、ネオが私と子供達の面倒見てくれる?」

治療そっちのけで病室で破廉恥行為。(笑)


「ああぁぁぁ・・・医者って大変だよ」

「おつかれさま」

おいw


「エ・・・リ・・・オ・・・ッ・・・ト・・・」

「ハゼルだけどね」

宇宙人同士は、こうやって通じ合う(らしい)。


「アンナ・・・俺、結婚するんだ」

「え?もう高校も卒業したの?」

こないだまで小学生同士だった二人。幼少期の短い宇宙人ハゼルは、あっという間に成人に。


「播種にも成功したしね」

「ん?ハシュって何?」

まだ子供のアンナには分からないこと。


「ゴリエ先生、今日の診察はもう終わりでしょ?」

「んふw 今日は分娩があるのよ」


「へぇ~誰か出産ですか」

「とても若いお父さんとそこそこ熟女のお母さんのカップルよ」


(え・・・?まさか・・・)

分娩室には入れないネオではあったが、すぐに何かを察知したのであった。